いい加減
そう いい加減
気付いても いいんじゃねぇの?
そう 自分に言ってみても。
無自覚エンドレス
自覚が出来ずに
自分の気持ちを 信じられずに
練習をもう一度
自室の畳の上で ごろんと転がり息を吸い込んだ。その行為をくり返したのは何度目だろう。
五月蠅い。そう自らに毒づくが 無論静かになってくれるわけもなかった。むしろより一層濃い音になり 耳にその音をこびり付けさせる。
どくん どくん どくん どくん
五月蠅い。もう一度毒づいてみても やはり静かにはならなかった。
開け放たれた襖から入る冷たい空気すらも 異常に熱を持つ脳を冷やしてはくれなかった。
そうだ
いい加減 自覚したって良いんだ。
そう考えても 心は捩れて悲鳴を上げながらそれを拒否する。未だ気付く必要は無いんだ。未だ自覚してはいけない と。それでも 気付と叫ぶ自分が居る。
気付いているくせに
見ないフリ。
言葉にしないと自覚が出来ない弱い自分。
「す…っ…」
息を吸い込んだら言葉が留まって出てこなくなる。次は何だった。次の言葉は?
「………っ…き……」
上擦って情け無い声だった。そうして 何もないのに異常に激しく打つ心臓がもう一つ問いを問い掛けてくる。
誰のコトを?
わざわざ 聞かなくて良いことを 自分自身が問い掛けてくる。
「…っ…ひなも……」
そこ迄は順調に 早口で言い切ったのに
やはり最後の言葉だけ 出てこない。
り
その言葉が 出てこない。
今日も自らに言い聞かせる言葉にすら出来ずに
この想いは嘘だと あり得ないものだと 無視をして
嗚呼 無自覚エンドレス
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