031.シングルライフ
一人ぼっちは寂しいよ
一人ぼっちは もういやだよ。
今にも後にも 泣いたのはあの日だけになるだろう。
泣いた。
始めて 泣き喚いた。
くやしかった。
自分が無力なことが。
だから 追いかけた。
一匹狼では居られない
弱い 弱いと 気付いていても。
一匹狼で居るよりは
二匹狼で 居たいと願う。
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032.楽しかったよ!!
なんでこうも 女の買い物とは体力をつかうのだろうか…
そんな事を思いながら 日番谷は溜息をついた。
元々雛森が物をそこまで欲しがらないタイプなので 本当に偶にの息抜きぐらいは付き合ってやっている。
…のだが しんどいものはしんどい。
「ね これなんかどうかな?変?」
「いや 別に?」
どれ着ても似合うから別にいいのに とかいう寒い台詞は飲み込んで また試着室に潜り込んだ雛森を見留めてから店先にずらりと並べられている髪飾りを何も考えずにのぞき込んだ。
−あ アレなんか可愛いかも。
梅の花の柄は多くても なかなか桃の花の柄のものというのは少ない。なので 思わず手を伸ばして日番谷はそれを手に取った。雛森が未だ試着室に籠もっている間に その髪飾りは日番谷のものとなった。
「今日は楽しかったよっ!」
ありがとうね と笑う雛森を見て ああ そういや日が暮れたんだと今更ながらに思い出した。
懐に突っ込んでいた髪飾りを取り出して 雛森の手の中に突っ込むと彼女はキョトンとした顔で日番谷を見下ろした。
「やる」
「……ほ ホント?」
「嘘ついてどーすんだ」
「…ッ…あ ありがとっ!大事にするねっ!」
ぱぁっと顔を明るくして 次にぎゅっと大切そうに髪飾りを握りしめる雛森を見ながら まぁ偶には買い物に付き合わされるのも悪くないかなぁと 日番谷はのんびりと思った。
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033.私の名前
あたしの名前が もうちょっと長ければ良いのに。
そうしたら 貴方があたしの名前を呼んでくれる時間が
もうちょっと 長くなるでしょう?
「不公平…だよねぇ」
「桃?どうした?」
「…何でもないっ!」
不公平なのに
なのに
貴方が一度名前を呼んでくれただけで あたしはもう さっきまで考えていた事もどうでもよくなってしまうの。
現金だよなぁ あたしと 思わず苦笑した。
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034.NO TITEL
(結婚ネタ注意)
紡ぎ続けるんだ
題名の無い物語を 君と
これからも ずっと ずっと ずぅっと。
「雛森」
そう呼んだら きょとんとした顔をされて 微笑まれた。
「そう呼ばれるのも 今日が最後だね。」
NO TITLE
さぁ 僕らは最後に どんな題名をつけるだろう?
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035.欠片
一つ一つ 拾っては無くすパーツは なかなか想いの全貌を見せてはくれない。
「でね 藍染隊長がね。」
「あー。」
「でね 日番谷君?」
「あー?」
「聞いてるの もうっ?」
「きーてる 聞いてる。で アイゼンタイチョーさんが何?」
「…もう いいもん。」
「は?」
「日番谷君が聞いてくれなきゃ 話す意味なんてないもん。」
「…拗ねんなよ。聞いてるって。」
「拗ねてなんかないもんっ!」
日番谷君だから 聞いて欲しいのに。
ぽろりと零れたその台詞は 確かに拾われた。
−…わけわかんねぇ。
なかなか分からない 想いの全貌。
スキなの?キライなの?
彼奴と俺 どっちが上?
探しても見つからない 君の想いの欠片。