116.DNA
※夫婦子供有
ふてくされた顔にDNAの素晴らしさを日番谷は感じた。
似すぎだろう。思わず笑いが込み上げる。
眉間の皺は環境の問題ではなく、遺伝の問題だったらしい。
身長もだ。何時かコイツもデカくなるのかと思うと、やっぱり笑える。
「何笑ってんだよ、親父。」
この不機嫌な声も、何故だか愛しくて仕方なかった。
117.未来
今も
昔も
隣には、貴方が居た。
勝手に思い込んでたんだね。
未来もきっと、隣には貴方が居るって。
信じて、疑いもしなかった。
118.世界の終わり
世界の終わりにキスをしよう
二度と離れはしないように。
二度と壊れはしないように。
例え世界が滅んでも
僕らは絶対に、滅びないと
胸を張って言えるから。
119.宇宙
宇宙の広さって、知ってる?
無邪気に君は尋ねたね。
村より広いんだよ。
この丘から見える全部より広いんだよ。
海より広いんだよ。
空より広いんだよ。
何時か、いっしょに見に行こうね。
無邪気に君は約束したね。
120.月
ただ、月が見たかった。
まんまるい月だった。
ただ、月へと近づきたかった。
そうして俺は、屋根へと登った。
其処に居た先客は俺を振り向いた。
シロちゃんも、月を見に来たの?
俺は、彼女を捜しにきたのだと其処でやっと気が付いた。