181.虜囚
嗚呼、君に捕らえられた僕は虜囚。
君に繋ぎとめていて。
捕らえて離さないで。
君を愛したことが罪だというならば、嗚呼、僕を何時までも捕らえて放さないで。
狂った夢に終わりなどこなくていいから。
182.制服
「…うっわぁ…」
「し、失礼だよ日番谷君っ!!」
顔を真っ赤にして起こる彼女を、日番谷は呆然と見つめた。
彼女は普段から膝下ぐらいのスカートしかはかないわけだが、彼女が今着ている制服は完全なる「超ミニ」と呼ばれる品だ。
日番谷が着ている男子の制服は至って普通だ。
特別な潜入調査とはいえ、上の奴等の遊び心が感じられるのは気のせいだろうか。
「…似合わねェってか…何というか…。」
「うう…こんな制服なんて聞いてないよぅ…。」
泣きそうな雛森の横で、日番谷は近づいてくるであろう男をどう振り払うかを真面目に考えていた。
183.仮眠30分
「三十分後、起こしてくれよ。」
そう言って彼はソファに寝転がった。
うん、と返事をしたものの、起こす気はさらさらなかった。
目の下にできたクマが彼の体力の限界を示している。
何か気の聞いた一言でもかけてやりたかったが、言葉が思いつかない。
そうやって言葉を捜しているうちにソファから寝息が聞こえた。
疲れてるんだなぁと改めて感じる。
言い訳は「あたしも寝ちゃった」でいいかな。
そう思って、彼の額にひとつキスを落として向かいのソファで丸くなった。
184.プレイヤー
嗚呼、プレイする気になんてなれないこのゲーム。
一体いつまでイタチごっこは続くんだ。
嗚呼、クリアなんてありえない。
続く道はゲームオーバーだけ、リセットは壊れてしまった。
(畜生、莫迦、莫迦、莫迦桃)
ああ、一体何時まで続くんだろうか、この莫迦らしい恋愛ゲームは。
185.フリー
この手はまだ空っぽだ。
だからほら、思いっきり泣けばいい。
涙は全て、受け止めてあげるから。
嗚呼、それより抱きしめてあげようか。
空っぽな手は、何だって出来るから。