201.窓

「何処に、繋がっているんだろうね。」

 お前が呟いた、その言葉が、
 未だ脳内にこびり付いて離れない。

 お前はあの時、窓に映る空に、何を見た?

 同じ空を睨みつけて、俺は一体、何を想う。


202.隠れる

 身を隠さなければいけない。
 早く、早く、見つかる前に。

 逃げろ、捕らえられてはいけない。

 戦うな、それは決して正しい選択ではない。


 この想いに、捕まってしまわぬように。



203.イーーーッ!!

 束縛する、嫉妬深い厭な女だなんて思われたくない。
 そんなうざったい女だなんて、おもわれたくない。

 けど

 それでもやっぱり
 笑うあのコの横の、貴方の瞳が優しくて悔しいから

 だから、あたしは息を吸い込んで、貴方に叫ぶのだ。


「イーーーッ!!」

 そうして、きょとんとした貴方の顔を、あたしは満足気に眺めるのだ。


204.ホラー

「っいやあああああ!!!!!」

 つんざく悲鳴に耳を塞ぐ。明日あたり、お隣の山田さんに文句を言われるのは必須だろう。
 ぶるぶると縮こまる雛森を慰めるのにも流石に疲れ、水を取りに行こうと席を立とうとすれば、裾を引っ張られる。

「いや、いや、日番谷君助けてぇ…!いなくなっちゃやだぁぁ!」

 涙目になるなら、見なければいいのに。
 そう呆れながらも、席に戻って隣で見てしまう俺も、はっぱり莫迦なんだろう。

「……っ……ひあうあえあう!!!」

 それにしても、この声はどうにかならんかと、少し諦め気味に右耳を塞いだ。



205.舌

 そっと絡めて
 また外して

 首筋を降りて

 優しく、優しく。


 紅い蛇が、身体を這う。











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