付き合ってられんと最後は散々思うのに、莫迦みたいに一緒に居る。
その理由はやっぱり 結局自分が莫迦だからなんだろう。
愛しい人に出会いました
愛したい人に出会いました
壊われてしまいそうでした
壊してしまいそうになりました
なので 全力で逃げました
それが自分の始終をあらわしていることがわかって 思わず鼻で笑ってしまった。
彼が愛しい人でなければよかったのだ。
彼が初めから壊れていればよかったのだ。
出会いなど しなければ良かったのだ。
莫迦莫迦しいと 呆れて笑った。
逃げて逃げて逃げて 気付いたらやっぱり隣にいて それでもって莫迦らしくなって 逃げないで傍に居る。
「何処に行くんですかぁ 市丸隊長?」
語尾にハートでもつきそうな甘ったるい声で声をかけると その背中がびくんとゆれた。
初めから気付いているくせに 演技過剰だと思いながら数歩歩を進めた。
ゆっくりと振り返って 眉を下げて彼は空笑いをした。
「何でバレるん?」
「バレるもんはバレます。隠れる気もないくせに。」
あぁ それもバレてるんか と 彼は笑った。
ついぞと見ない 優しい笑顔で。
打算的以外の笑顔も出来るくせに それをしないのはそれも計算に入っているのだろうか。
あたし以外に あと何人 この笑顔を知っているのだろうか。
「何処行く気です?」
「や ちょっと 遊びに。しっとる?今 あっちでお祭りやってんねん。小さいお祭りやけどさぁ。」
あぁそうや 一緒に行かへん?と笑顔で誘ってくる図太い神経のコイツの何処が良いのだろうか と 思わず自問をした。
全く もう あたしも程ほどに弱いんだ この笑顔に。
「…30分。そうしたら 残ってる書類全部片付けさせるわよ?」
むぅっと頬を膨らませて 不満といった表情をとってみたのだけれども きっとそんなものは意味が無かっただろう。
彼はにぃーっと悪戯ッ子特有の笑顔をしてから 共犯やで と言って手を伸ばしてきた。
「何 この手。」
「何ゆうてんの お祭りではぐれたら困るやろ?」
しれっとそんな台詞を吐く彼に 思わずその手を叩いてやろうかとも思ったのだけれども それじゃぁなぁと思い直して渋々その手を掴んだ。
「離すんじゃないわよ 莫迦」
「勿論 お姫様。」
逃れるわけが無いじゃない。
好きなもんは スキなんだもの。
最後には絶対100% 付き合ってられないと思うくせに
何度でも付き合って莫迦やるのは それは そういうことなんだろう。
打算的笑顔
素直な笑顔
悪戯ッ子の笑顔
泣きそうな笑顔
全部見たことがあるのは
全部見分けられるのは 自分だけだと 思い込んでいたい。
貴方のすべてを知っていると 勘違いしていたい。
逃げて 離れて欲しくて
近づいて 近づいて欲しくて
求めて 求めて欲しくて
知って 知って欲しくて
我が侭で我が侭で でもそれはお互い様で。
どうせ どちらにしたって共犯なのだから こっちも思いっきり楽しみまくってやろうと 時計を見てにやりと笑った。
+戻+
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::後書::
本当は ぐるり、只今僕等循環中 が一番良かったのですが
「僕」じゃないのでやめました。(笑)
結局なんだかんだでぐるぐる回りながらも ずっと一緒に居て欲しいものです。